メキシコ

【感想】ピクサー映画「リメンバー・ミー」観賞後雑感

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Twitterでも映画「リメンバー・ミー」観賞後の雑感を書き連ねていたものの、いかんせん見辛く、ツイートしている最中に「ああ、いつか自分のブログに残そう。」と思ったが故にこの投稿を書いています。なので、今回の投稿は少し前にツイッターで書いた内容とだいたい一緒になります。

感想を書き並べる前に筆者について少し前置きしておくと、

  • メキシコ滞在経験者(1年間の留学&短期滞在で。)
  • メキシコ大好き人間。ほかにアニメ、プロレス&ルチャ・リブレがゆるく好きだったりする。
  • かつてはディズニーオタクで、ディズニー映画をくまなくチェックしていた時期があった。(最近はそれほどでもない。)

といった感じ。

以下、取り留めなく感想を箇条書きで書いていきます。

注:下記内容には映画のネタバレ(ストーリーについての言及)を含みます。

作中に出てきたメキシコを代表する(?)モノとか人とか

作中で見られる様々なものの描写がリアルだった点に関しては後ほどまた触れるのだけど、映画を視聴する中で筆者が確認できたメキシコ(ならでは?)のものは以下のとおり。(それぞれの画像や映像、説明はリンクを埋め込んであったりするのでそちらを参照。)

Papel picado(パペル・ピカド。紙で作られた装飾。)

●音楽

 

ルチャ・リブレ関連のもの(マスクや衣装など)

●衣服

  • Traje de charro(トラヘ・デ・チャロ。マリアッチの演奏者が着ている衣装。)
  • 刺繍入りのシャツ色々(画像はこちらのツイート参照)
  • Guayabera(グワヤベラ。主に男性が着るシャツの一種。)
  • Banda Norteña(バンダ・ノルテーニャ。メキシコ北部のバンダ。)っぽい衣装
  • サッカーメキシコ代表のユニフォームTシャツ(画像

 

●食べ物

  • Concha(コンチャ。貝殻のような模様のパン)
  • Tamales(タマレス。トウモロコシの粉末にラードを混ぜ、バナナの葉などで包んで蒸したもの。中に味のついた鶏肉なんかが入っている場合もある。作中に出てきたのは、オアハカスタイルのタマレス(Tamales Oaxaqueños)ではない一般的なものだったと思う。)
  • Elote(エローテ。蒸したトウモロコシ丸々一個に、マヨネーズや粉チーズ、ライムジュース、チリパウダー等々をつけたもの。)
  • Flautas(フラウタス。味のついた肉などを中に入れて筒状に巻いたトルティーヤに、サルサをかけたもの。)
  • Salsa Verde/Salsa Roja(サルサ・ベルデ/サルサ・ロハ。緑の/赤の辛いサルサソース)
  • Pan de Muerto(パン・デ・ムエルト。死者の日のパン)

 

センパソチルの花

●骸骨とか骸骨型のロウソク

オフレンダ(死者の日のために設けられる祭壇)

Xoloizcuintle(ショロイツクイントゥル。メキシコ原産の犬。作中ではXolo(ショロ)という犬が出てくるが、それがこの種類の犬。)

Cenote(セノーテ)

ピラミッド

アレブリヘ

●Zapateado(サパテアード。タップダンスのような踊り、ステップ。)

●実在した人物(故人)

  • Frida Kahlo(フリーダ・カーロ。メキシコの画家。)
  • El Santo(エル・サント。メキシコのルチャレスラーであり、国民的ヒーローのような存在だった人。)
  • Pedro Infante(ペドロ・インファンテ。メキシコの歌手。)

●死者の日の墓地(の様子)(画像

聖母グアダルーペ(らしき画)

●(ピクサーのキャラクターを模した)ピニャータ

…等々。

 

感想

ここからは観賞後の雑感をまとまりなく書き連ねます。

描写のリアルさ

何と言ってもかなり描写がリアル。見た目がめちゃめちゃ本物に近いというか。脱帽する。

具体的には(既述ではあるが)、サンタセシリア*1の街並み、衣服(ミゲルのひいお婆ちゃん・Cocoが着ている刺繍入りのワンピース、生者の国の人たちが着ているブラウスやシャツとか)、死者の日の墓場の感じ、センパソチルの花、骸骨型のロウソク、食べ物、ピクサーキャラのピニャータ、etc.

そのため、映画の中でちょいちょい出てくる「メキシコならではの物」については、見受けられるたびワクワクしながら見てた。

「あ!あれピラミッドだ!」とか「ここで&その役割でセノーテ出てくるのか。確かに生贄(いけにえ)が捧げられたセノーテも実際に存在するけども。。。」とか「このシャツGuayaberaっぽい!」とか「タマレスはオアハケーニョじゃないんだなぁ。」とか思っていた。

 

ピクサーのキャラクターを模したピニャータ

(※この項目に関しては、Twitterでの呟きとそのリプツリーを読んでいったほうがわかりやすいかもしれない。画像も付いているから。)

それで、映画を見てて一番「おっ…これは…」と気になったのが、映画の序盤に出てくる、ミゲルの住む街の様子が映るシーン。画面右側のところにピニャータがぶら下がってて、よく見ると歴代ピクサー映画(トイストーリーやモンスターズインクなど)のキャラクターを模したものになっているのがわかる。

それで、多分ピクサー映画をよく見る人としては、この画面端にちらっと映るピクサーキャラクターのピニャータを「ああ、ピクサー映画お馴染みの、”隠れキャラ(作中に堂々とは登場させないものの、目立たない位置にこっそりピクサーのキャラクターを登場させるやつ)”ね。」といった感じで認識するんだろうなと思う。(画像

一方で、メキシコで生活したことがある人やメキシコの市場に行ったことがある人は、このピニャータのことを「あれ、既視感(笑)。これメキシコでたくさん見るやつ。しかもメキシコで見られるやつは、だいたい勝手にキャラクターを模して販売されているもの。」って思うのかなと想像した。(ちなみに私は映画視聴中、目にした瞬間そう思った。)(画像

映画の制作陣はメキシコを実際に訪れて調査したりしているから、市場とかをもし訪れていたら沢山ディズニーのキャラクターを模したピニャータが売られているのも目にしただろう。 だから映画で出てくるピニャータが、何を(どこまで)意識して登場させられたものなのか、すごーーーく気になっている。。。

候補としては、

  1. ただ単に「メキシコならではの物」の一つであるピニャータを、自分たちの会社で今まで製作されたキャラクター(=ピクサーのキャラクター)を模した上で登場させた。
  2. ①と同じ理由+(ピクサー映画お馴染みの)隠れピクサーキャラ要素という意味も込めて登場させた。
  3. メキシコの街や市場で見たそのまま(=権利とかは無視した状態で、有名キャラクターを模したピニャータが自由に売られている様子)を再現。(皮肉も込めて?)
  4. その他

あたりが思いつくかなと。さて真意はいかに。 

 

メキシコ出身の人物たち

「描写が細かい」といえば、実在したメキシコ出身の人物が結構たくさん出てきたことに驚いた。フリーダ・カーロはもう言わずもがなガッツリ登場していてセリフもあったけど、El SantoとかPedro Infanteとかも登場してたっていう。

私は映画を見ている間気がつかなかったけど、後でググってみたらEmiliano Zapata(エミリアノ・サパタ。メキシコ革命の指導者。)とかDiego Rivera(ディエゴ・リベラ。メキシコの画家であり、フリーダ・カーロの夫。)も登場していたと知った。

あと、エルネスト・デラクルス(Ernesto de la Cruz)の活躍っぷりを主人公ミゲルが語るシーンを見ていたら、かつて「国民的ヒーロー」のイメージで名を馳せ、主演映画さえも実際に製作されたメキシコのルチャ・リブレの選手-El Santoエル・サント)の存在を思い出した。 エル・サントも作中に結構登場していたけど。

 

ダンサーの衣装

生前のエルネスト・デラクルスが舞台上でパフォーマンスをする場面に女性のダンサーが沢山出てきたんだけど、どこの地域の衣装なのか気になった。China PoblanaやChilena en Guerreroあたりの衣装を基にリメイクしたものなのかな。(画像

 

作中に頻出する「メキシコのスペイン語」

英語音声で映画を視聴していたのだけど、結構メキシコのスペイン語が出てくるなって思った。

「え、スペイン語全然知らない人にとっては、映画を見ていて知らない単語多く出てきているのでは?」と思うほど。もちろん、あくまでストーリーを把握するには差し支えないくらいではあるけれど。

(なんか、長崎県の五島を舞台にしたアニメ「ばらかもん」を見た時に抱いた感想(「えっ、これ長崎の方言知ってる人じゃないと分からない言葉多いのでは?」と思った。)とほぼ同じような感覚だったなぁ。)

あと、結構スペイン語訛りの英語も出てきたなぁーって。製作側が意図的にラテンアメリカ系(メキシコ系)のスペイン語訛りの英語を話せる人をキャスティングしたからなのだろうけど。(キャスト情報見たら、やはりメキシコ系やラテン系の人が多かった。)

 

メキシコの伝統、文化への敬意

数回通しで映画を見て、「すごく愛にあふれた、また沢山の人に愛されうる作品だなぁ。」って思った。 登場するキャラクターそれぞれが愛くるしく、ストーリーも温かくて。メキシコならではの物も沢山出てくるし。

メキシコでもこの作品を好きな人が多く見受けられるのは、この映画が公開されて大ヒットしている様子を、現地で私が実際に感じていたのもあってよく分かる。

それは映画の制作側の、メキシコの伝統や文化を理解しようと努力し、またこれらをとても尊重しているのが映画『リメンバー・ミー』の中に滲み出ているのがひとつあるのかなって。

例えば、映画クレジットの最後の方では、

DÍA DE MUERTOS IS A MEXICAN HERITAGE TRADITION WITH ROOTS IN INDIGENOUS CULTURE. TO LEARN MORE, VISIT YOUR LOCAL LIBRARY.(死者の日は、先住民の文化に結びつきを持つ、メキシコの文化的伝統及び慣習です。さらに知りたい人は、近くの図書館に行って調べてみてください。)

って書かれていた。

朝日新聞GLOBE+に掲載されていた製作陣へのインタビュー(https://globe.asahi.com/article/11531960も読んだりして、 ピクサーがこの映画を通して、「メキシコの文化、慣習」や「メキシコにあるモノ、文化」に対して敬意を払いつつ、これら(=)を忠実に描こうとし、またリアリスティックに描かれた「メキシコのありとあらゆる要素、モノ」を作中の色々なところに散りばめることで、メキシコに興味を持ってもらったり、メキシコを深く知ってもらったりするきっかけになるよう試みていたのだなぁ、と納得した。

 

(生者の世界で)写真を飾ってもらえる人=恵まれた人(?)

映画の内容を振り返ってみると、「生者の世界で生きる人から存在を忘れられた人々(まだ完全には忘れ去られてはいない人も含む)=惨めな/可哀想な人」っていう構図があったように思う。

それで、それらの人々が住むエリアって、位置的にはあの煌びやかでカラフルな死後の街の下というか足元にあって、なんか安直な考えかもしれないけど、メキシコ国内の貧富の差というか豊かさの差みたいなのを表してるようだなぁって思った。「まんまメキシコだなぁ。。。」ってつい思ったりした。

貧富の層の違いっていうのがハッキリあって、それぞれの社会階層の人々が居住するエリアというのも確実に分かれているのだけど、物理的な距離としてはそれぞれの居住区が割と近い位置にあったり、お金持ちや一般の人が出歩いているエリアにも、乞食のひと(地べたに座ってお金を求める人とか)がいたりする、という感じとか。

だから、映画の中の死者の世界では、あの生者の世界と死者の世界をつなぐ橋を渡れる人(センパソチルの花びらで出来た橋を踏んでも平気な人)っていうのが、現実世界の方に自分の存在を覚えている人が沢山いてくれる人(≒裕福な人、死者の世界の社会階層としては上の方にいる人?)なのかな、とも思った。

 

ディズニー映画の典型的なストーリーの流れ&悪役の存在

全然今まで意識していなかったのだけど、ディズニー映画の典型的な話の流れみたいなのってあるんだと、今回映画を見て、そして今まで見たディズニー映画を振り返ってぼんやり思った。

「悪役の登場(最後は悪役が痛い目を見る)」、「ピンチには必ず助けが来る」、「結末はハッピーエンド」といったような。

私ディズニー作品を見るの自体が結構久々で、映画「リメンバー・ミー」の中で分かりやすい「悪役」の存在を作中で見せつけられたのを経て、「ああ、ディズニーといえば、『ディズニーヴィランズ(ディズニー作品に登場する悪役たちの呼称)』という括りもあるくらいだから、必ずと言っていいほど作中に悪役が出てくるのだなぁ。」とまあ思ったりしてた。

(完全に話は逸れるが、)それで、ふと悪役や敵役について意識を向けた時に、「メインストーリーの中に悪役(敵役)や主要登場人物のライバルキャラクターが出てこない」のが1つの特徴である「アイドルマスターSideM*2」の存在を思い出した。

(逆に、映画「リメンバー・ミー」に出てくる「悪役」について考え、SideMについて思いを馳せた時に、「ディズニーの映画の中に出てくる悪役」の存在をはっきり意識するようになったんだけど。)

まだSideMのゲーム内ストーリーとかをそんなに沢山読んでいないから、SideMのストーリー&アイドル達についての話をもっと沢山読みたいなぁ、と思った。

 

その他

・あの「死後の世界」の街の感じって、何から発想を得たのかなと考えた時に、ふと「生命の樹(下記画像参照)」を思い出してた。

・あ、あと「自身も本当は歌が好きで音楽を嗜んでおり、Cocoの父(ヘクター)と共に音楽を楽しんでいた(曖昧な要約)」みたいな事実を、Cocoの母(イメルダ)が悲しみの感情や懐かしさ、情けを求めるような(?)雰囲気とともにミゲルに打ち明けるというシーンが、個人的になんかちょっと刺さった(話の流れも込みで)。

「すっごい綺麗で美しい話の流れだなぁ」「ここでこの話が出てくるの、あまりに綺麗で美しいストーリー展開。。。そしてこのCoco母の語り口/打ち明け方よ。。。」って思った。

・映画の終盤、Cocoがお父さんがかつて歌っていた歌(=リメンバー・ミー)を思い出し、ミゲルの歌唱に合わせて歌い出すシーンから泣き、そして死者の日にCocoの写真が祭壇に飾られる(=Cocoが亡くなったことを、映画を見ている側が知る)場面とCocoが死後の世界で両親と再会する場面で涙腺崩壊した。

 

以上、ピクサー映画『リメンバー・ミー』鑑賞後雑感でした。

映画を見たら『リメンバー・ミー』の制作秘話とか舞台裏の話とかもっと読んでみたいなぁと強く興味が湧いたし、まだまだ自分の知らないメキシコのことが沢山あると思ったため、引き続きメキシコ関連の物事への探求をやっていきたいなぁと思った所存。

 

興味深かった映画関連記事とか動画とか

『リメンバー・ミー』ハリウッドに響き渡った「メキシコ万歳!」:朝日新聞GLOBE+

「実は映画「リメンバー・ミー」に登場してた、9つの隠れた情報」を紹介する動画(言語はスペイン語)。映画視聴中、気づかなかった点ばかり紹介されていたので、面白かった。

 

脚注

*1 主人公ミゲルの住む街の名前

*2 筆者個人が最近夢中になっている、アイドルを題材にした作品

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