ユカタン

ユカタンの民俗服・Huipil(ウイピル、ウィピル)に魅せられて

年中無休でユカタン地域が恋しい、まそん (máscara-sonrisa)です。

今回は、メキシコ南東部に位置するユカタン地域特有の衣服や、ユカタンの民俗服であるHuipil(ウイピル、ウィピル)について、その色々な種類やデザイン、刺繍の違いなどに触れつつ紹介していきます。現地でウイピルを購入する際に役に立つであろうアドバイス(オススメの購入場所や会話フレーズ)なんかも、ちょこっと書いています。

なお本記事を書くにあたっては、私の友人であり、ユカタン州の州都メリダにある市場で衣服のショップを営んでいるAngelaさんに、ウイピルに関する情報(名称、種類、柄・デザイン、刺繍について)を教えてもらったり、お店にある様々なウイピルの写真を撮らせてもらったりしました。ここに、彼女の協力に対して心からの感謝を表したいと思います。

(注:本記事に書いてある価格&情報は、全て2017年12月~2018年7月時点のものになります。また日本円に換算した値段は、1ペソ=6円で計算したものやこれに近いキリの良い数字にしたものとなります。)

ウイピルとは

「Huipil(ウイピル)」と聞いて、メキシコや中米地域の民俗服や文化に少し精通している方の中には、メキシコ南部のオアハカ地域のものやグアテマラのものを思い浮かべる方もいるかもしれませんね。

 
 
 
 
 
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ウイピルとは、メキシコや中米の一部地域で見られる貫頭衣の民俗服(民族服)のこと

(すごく当たり前ですが、)着用の際は基本的に「衣類に頭を通して腕を通して、完了!」というものが多いです。衣服の種類にもよりますが、胸まわりや腹部がゆったりとしていて、ボディーラインのはっきり出ないワンピースのようなものが多いのも、ウイピルの特徴かと思います。

ウイピルに関しては、以下のWikipediaのページの説明が割と詳しいです。色々な地域のウイピルの特徴や写真にも触れつつ紹介されているので、興味のある方は是非チェックしてみてください。

それで、ユカタンにもウイピルがあるわけなんですが、ユカタンでのみHipil(イピル)と呼ばれるそうです。(ちなみに私はずっと、「ウイピル」と呼びつつも正しい表記はHipilだと思っていました。変なユカタンの影響の受け方…笑)

本記事では「Huipil(ウイピル)」と呼ぶことにします。

メキシコの地図。赤く塗ったところがユカタン州、州都の名前はMérida(メリダ)。ちなみにユカタンの東隣の州は、あの有名なビーチリゾート地・カンクンがあるQuintana Roo(キンタナ・ロー)州。 元の地図はhttps://d-maps.com/carte.php?num_car=4122&lang=enより。

 

ユカタン・ウイピルの種類

「ユカタンのウイピル」と言うと、だいたい上記写真のものを指すのですが、ウイピルと見た目は似ているものの実は違うタイプである衣服や、現代風にアレンジされたものなんかも幾つか存在していまして、ユカタン州の州都メリダでは様々な種類のウイピルとウイピルに関連する衣服というのが見かけられます。

ここでは、それらの名称と詳細について詳しく紹介していきます。

Huipil(ウイピル)

ユカタンを代表する民俗服。ベースとなる(主に白地の)貫頭衣の、デコルテから肩&胸あたりにかけてと、裾の部分(モモ~膝あたり)一帯に刺繍もしくはデザインが施されているのが特徴です。ゆったりとしたフォルムで、丈の長さはだいたい膝くらいまでのものが多いです。

ユカタンでは年齢問わず女性が着るのですが(現地ではウイピルは普段着として着られる)、州都のメリダを何度か訪れた中で思ったのは、ウイピルを着ているのは年配の女性が多いということ。もちろん、それ以外の年齢層の女性も着ていたりするものの、稀に見かけるくらいでした。

ウイピルの下に着るスカート、Justán/Fustán(フスタン)

ウイピルを着る際は、裾にレースがついているスカート・Justán / Fustán(フスタン)をその下に着ます。基本的に購入する際はウイピルとのセットになると思うのですが、特に市場だと別々に購入するのも可能かと思います。

例えば、本項の最初にあげた写真のウイピルは、フスタンとセットで購入したもの。値段は900ペソ(約5,400円)でしたが、チチェン・イツァー遺跡近くの土産物屋で買ったものなので結構高めの値段です。

実際、州都メリダにあるLucas de Galvéz(ルーカス デ ガルベス)市場(詳しくは後述。以後「市場」と書いてあるものはこの市場のことを指す。)とかであれば、300~500ペソ(だいたい1,800~3,000円)くらいで買えるものがほとんど。

 

Terno(テルノ)
ユカタンの民族舞踊のショーであるVaquería(バケリア)より。女性ダンサーが着ているのがテルノ。

ウイピルの晴れ着版。ユカタンの民族衣装であり、同地域を代表する民族舞踊のJarana Yucateca(ハラナ・ユカテカ)ではダンサーの衣装としても用いられます。ウイピルと同じく、白地の布で作られたものがほとんど。

そんなテルノは3つのパーツで構成されています。

1つはJubón(フボン)という、テルノの上半身に付いている、豪華な刺繍(もしくはデザイン)が施された大きいひらひらのパーツ。Solapa cuadrada(ソラパ クアドラーダ、直訳すると「四角い折り返し」という意味。)とも言い表すことができて、2つ目のパーツであるウイピルの上にくっついているものです。

↓民族舞踊の踊りを見ていると、ちょうど手(腕)をあげる振付の時に横長の長方形の形をしたフボンの全体が前と後ろで綺麗に開いて見えるんですよね。

 
 
 
 
 
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パーツの2つ目がウイピル、そして3つ目のパーツとして、ウイピルを着る時と同じくフスタンを下に着ます。

テルノの3つ目のパーツであるフスタン

ただし、テルノのフスタンの場合は普通のウイピル着用時に着るものとは違い、裾にも刺繍が施されていたり、模様が描かれたりしています。

フスタン比較図

テルノを着る際には色々な装飾品(イヤリング、ブレスレット、首飾り等)を一緒に身にまとったり、カラフルな花の髪飾りをつけたりもするのですが、これらに関しては下記の記事にて詳しく紹介しています。興味のある方はぜひ合わせてご覧ください。

あわせて読みたい
ユカタンの民族衣装・Terno(テルノ)を着る。メキシコ合衆国・ユカタン地域の民族衣装・テルノと、テルノを着る際に一緒に身につける装飾品(イヤリング、ネックレス、髪飾り等)の詳細について、現地で購入した際のことを思い出しつつ紹介している記事です。...

さて、テルノの価格に関してですが、種類や購入場所によってだいぶ異なります。

例えば、この写真のテルノは市場で購入したもので、価格は2,800ペソ(17,000円くらい)でした。この種類の刺繍(ミシン縫いによる刺繍)が施されたものはそこまで高額ではなく、かつ市場での購入であればだいたい2,500~4,000ペソ(約15,000円~24,000円くらい)で買うことが可能。

ただし、ユカタン現地の民族舞踊のダンサーさんが着ているようなテルノ(Punto de Cruzという繊細な手縫いの刺繍が施されたもので、一着完成させるのに1年近くかかる。詳しくは後述。)の値段は、大体12,000ペソ~(約7万円から)します例えば、上記写真はメリダ中心部にある観光客向けの民俗服専門店にて撮影したものなのですが、右側のミシン縫いによる刺繍が施されたものが5,200ペソ(約3万2,000円)なのに対し、左側のテルノ(クロスステッチの刺繍が施されている)は15,000ペソ(約9万円)で販売されていました。

 

Huipil doble(ウイピルドブレ)

(※筆者がウイピルドブレについてあまり熟知していないので、本記事ではこの衣服に関しては軽く紹介するだけにとどまることをお許しください。)

テルノに若干似ている、このウイピルドブレ。

テルノとの違いは、

「1. スカートの裾に(フリフリの)レースが付いていない。」
「2. スカート部分は全部縫い合わさっている」(ウイピルの下に何か別のフスタンやスカートのようなものを履いているように見えるが、そうではなく、幅の広い裾部分(刺繍が施されている部分)が全て繋がっている、らしい。)
「3. 着る場面は自由だが、テルノのような晴れ着ではない。(式典とかでは着ない。)」

の3点。

本記事の最初にあった画像の中だと、この赤枠で囲んだものがウイピルドブレと呼ばれるものになります。(見えづらくて申し訳ないです。)

 

Huipil blusa(ウイピルブルサ)
 
 
 
 
 
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一番手に入れやすくて着こなしやすく、色やデザインのバリエーション豊富なのがこれ。普通のウイピルよりも丈が短く(丈は腰あたりまで)、Tシャツみたいにさらっと着れてしまうのが特徴的

 
 
 
 
 
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実際メリダに行った時は、観光客ではなくむしろ現地の人で、ウイピルブルサにジーパンを合わせた着こなしをしている人の姿を多く見かけました。(メリダを訪れるとわかるのですが、ソカロ以東、Calle59~69のエリアはユカタンに住む人たち、ローカルの人たちが集う場所になっていて、そのエリアを歩いていた時に、「トップスはウイピルブルサ、下はジーパン」という女性をたくさん見かけました。)

「ウイピルの現代風かつカジュアルな着こなし」をするなら、ウイピルブルサ。

平面に置くとこんな感じ。

自分用に買ってユカタンを思い出したい時に着るもよし、夏服として普段使いするもよし、家族や友人へのお土産として買ってプレゼントするもよし…そんな衣服となっております。

 

ちなみに、殆どのウイピルブルサの肩部分には小さな輪が刺繍で描かれているのですが、これは何かと言うと、装飾のリボンを通すためのものです。

この輪っかの部分に穴を開けて、幅1cmくらいのリボンを通して蝶々結びにします。

 
 
 
 
 
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↑例えばこんな感じで。
現地で売られているものの中には、あらかじめリボンがついているものもあります。

ウイピルと同様に、ウイピルブルサも市場で買うのが良いでしょう。市場内の色々なお店にある、豊富な種類のものから自分のお気に入りを探すことができ、生地や刺繍の種類にもよりますが大体150~400ペソ(約900~2,400円)で購入できます

(後に紹介する市場近くの民俗服を売っているお店も、ウイピルブルサの種類の豊富さ&コスパの面でおすすめできます。)

 

Blusa guayabera(ブルサグアヤベラ)
ブルサグアヤベラの例。価格は350ペソ(約2,100円)。なお、胸元の黄色い丸はサイズの書かれたシール。

Guayabera(グアヤベラ)という、ユカタンの特産品であるシャツに刺繍が施されたもの。グアヤベラ自体は男性用のものを指すことが今のところ多いのですが、ブルサグアヤベラの方は女性用に(女性の身体つきにフィットするように)作られたものが多いですね。

赤や白のものが、ブルサグアヤベラ

購入する際やこれを見つけたい際は、このままの名前(ブルサグアヤベラ)を伝えるか、もしくはこれに「dama(ダマ)」とか「para mujeres(パラ ムヘーレス)」といった「女性用の」という言葉を付け加えると良いかもしれません。

市場でも売っていた気がしますが(うろ覚え)、後述の市場近くにある民俗服販売店や日曜縁日の方が、品揃え豊富な上に比較的手頃な価格で手に入れることができるかと思います。

 
 
 
 
 
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(↑この男性が身につけているのが、グアヤベラ。)

ユカタンの民族舞踊のショー・Vaquería(バケリア)での男性ダンサー

ユカタンの民族舞踊(ハラナ・ユカテカ)では、男性がグアヤベラのシャツを身につけます。

 

ウイピルのパーティードレス

ウイピルと同じ(もしくは似た)種類の刺繍がなされているパーティードレスも、メリダでは見かけられます。

主にメリダ中心部にある民俗服販売店のショーケースや日曜縁日でよく目にしました。(市場近くの民俗服ショップでも若干。)逆に市場ではほとんど見かけなかったため、「主に観光客が購入するってこと&現地の人のニーズはそんなに無いってことなのかなぁ。」とも思いました。

日曜縁日にて売られている、ウイピルのパーティードレス

名称に関しては尋ね損ねてしまったのですが、

  • Vestido de huipil(ベスティード デ ウィピル) 「ウイピルのドレス」
  • Vestido estilo de huipil(ベスティード エスティロ デ ウィピル) 「ウイピルスタイルのドレス」

とかで通じるかな?と思います。あ、でも上記画像を提示するのが一番手っ取り早いですね。

購入する場所にもよりますが、490~800ペソほど(約3,000円~5,000円くらい)で購入可能。

 

(番外編)Tシャツ

おまけです。ウイピルのデザインをTシャツにプリントしたもの。(写真のものは、ガッツリ折り目がついちゃってますが。。。)多分、観光客向けのお土産用に作られたものだと思います。

メリダ中心部のTシャツ屋さん(例えば、Calle62沿い、Calle59と61の間にあるOK Maguey(オーケー マゲイ)とか、Calle60沿い、Calle55と57の間にあるCHEÉN COTTON(チェーン コットン)とか)で、100~300ペソ(約600~1,800円)ほどで買えます。参考までに。

OK Maguey
CHEÉN COTTON

 

ユカタン・ウイピルの柄やデザイン

ここからは、ユカタンのウイピルの柄、デザイン、縫い方、生地等の種類や名称について、詳しく紹介していきます。

布の種類

ウイピルの刺繍やデザインが施される部分の布の種類は以下の通り。

(※ちなみに、「布」や「生地」はスペイン語で”tela(テラ)”と言います。あと、薄々気づかれているかもしれませんが、筆者は手芸や服飾にあまり詳しくない人間なので、説明が所々下手です。すみません。)

80-20(オチェンタ ベインテ)
Punto de Cruz(クロスステッチの刺繍)が施された、80-20

ほとんどは、この(白地の)肌触りのさらさらした布が使われているかと思います。民俗服のショップを営む友人曰く、綿80%+ポリエステル20%の布だからこの呼称なのだそう。また、殆どのウイピルでこの80-20が用いられているものの、たまに麻の布が使われている場合もあるそうな。

80-20の布を使用した、ほかのタイプの刺繍が施された例

あらゆる柄、デザインが施されるウイピルの布地は、この80-20(もしくは麻など)。

 

Malla(マヤ)
Malla(マヤ)に施されたクロスステッチ

やや目の荒い布であるマヤ。Punto de Cruz(プント デ クルス)というクロスステッチの刺繍が施される布です。

 

Organdí(オルガンディ)
Organdí(オルガンディ)の上に刺繍が施されているもの

マヤよりも目の細かい、ガーゼのような布であるオルガンディ。ミシン縫いによる刺繍が施される布です。

 

柄・デザインの施される方法

ここでは、ウイピルに施されている柄、デザインの裁縫の方法(描かれる方法)の名称と詳細について、少し紹介していきます。(全部で3種類)

  1. Tejido a mano(テヒド ア マノ)

「手縫い」という意味。手縫いで施される刺繍だと、先程からちょいちょい出てきているPunto de Cruz(プント デ クルス)があります。

  1. Bordado a máquina(ボルダード ア マキナ)

ミシン縫いのことを指します。後に紹介するほとんどの刺繍が、ミシン縫いによるもの。

  1. Pintado(ピンタード)

ここまで見てきた刺繍が施されたものとは異なり、布地にインクで模様が描かれたもの

メリダにある手芸ショップにて見かけた、ピンタードのウイピルのカタログポスター

ちなみに、メリダの市場とメリダ中心部のソカロの間には幾つか手芸ショップがありまして、そのうち例えば上記写真のカタログポスターが貼ってあった手芸店では、ピンタードタイプのウイピルテルノウイピルブルサを作るための型(型やデザインが描かれている紙を含んだ制作キット?みたいなもの)が販売されていました。

カタログポスターをクローズアップして見てみると、こんな感じ。

もちろん、ピンタードタイプの既製品(ウイピルウイピルブルサなど)も、他の刺繍が施されたものと同様に、市場や民俗服の販売されているお店で購入することが可能です。

 

刺繍の種類

さてここからは、Tejido a mano(テヒード ア マノ、「手縫い」)もしくはBordado a máquina(ボルダード ア マキナ、「ミシン縫い」)で施される刺繍の種類について、(筆者が把握している限りではありますが、)紹介していきます。

  • Punto de Cruz(プント デ クルス)
Punto de Cruzのウイピル(左)と、その刺繍部分を拡大したもの(右)

手縫いで施される、いわゆる「クロスステッチ」と呼ばれる刺繍のこと。マヤ語ではこの刺繍のことを”Xocbi Chuy(ショクビチュイ)”と言います。
(ちなみに、手芸に疎い筆者は初めてこの刺繍をユカタンで目にした際、ビーズアートを思い浮かべました。)

メリダのMuseo de Arte Popular(民芸博物館)に展示されていた、Punto de Cruzのテルノ。(ちなみに布は麻だそうです。)

その繊細さと鮮やかな色使いは、うっとり見とれてしまうほどの美しさ。。。

テルノの紹介のところでも触れましたが、手縫いで作られる繊細なものであるが故に、このタイプの刺繍が施されるウイピルやテルノはその他のものよりも値段が高いです。

例えば、ウイピルの場合300~500ペソ(約1,800~3,000円)で買えるものが、この刺繍の場合は4,000ペソ(約24,000円)くらいに。
また、テルノの場合だと一着完成させるのに1年程かかるので(それだけ手間暇がかかっている)、値段も12,000ペソ~(約7万円から)します。

こちらも既に少し触れましたが、ユカタン現地の民族舞踊のダンサーが着るテルノは、このクロスステッチの刺繍が施されているものが多いようです。(上記写真はメリダで民族舞踊のショーを見た時に撮影したものですが、その際女性ダンサーのほとんどがPunto de Cruzのテルノを着てました。)

 

  • Macizo(マスィソ)
マスィソのウイピル(左)と、その刺繍部分を拡大したもの(右)

ミシン縫いで施された刺繍。多くのウイピル、ウイピルブルサで用いられているものかと思います。

 

  • Organdí bordado(オルガンディ ボルダード)
ウイピルドブレ全体(左)と、オルガンディの布に施された刺繍(右)

先ほど紹介したオルガンディの布に、ミシン縫いで刺繍が施されたもの。

 

  • Renacimiento(レナシミエント)
レナシミエントの施されたウイピル(左)と、刺繍部分を拡大したもの(右)

レースのような透かし模様と、花や葉をかたどる刺繍が施されているもの。いわゆる「カットワーク」と呼ばれる刺繍(刺繍の技法)を用いているものです(カットワークはスペイン語でCalado(カラード)と言います)。こちらもミシン縫いによるものだそう。

ちなみに、Googleで「huipil renacimiento」と画像検索すると、幾つかレナシミエントが施されたウイピルの写真が出てくるので(例えば、これとかこれとか)、気になる方はそちらの方もチェックしてみてください。

 

以上、ここまでウイピルの布、柄・デザイン、刺繍についての紹介でした。

 

購入する際のアドバイス

さて、「ウイピル素敵!ウイピルブルサ着こなしてみたい!欲しい!ユカタンに行って買ってみたい!」と思ってきたところで(?)、実際にメリダで購入を行う際に役に立つであろうアドバイスをいくつか書いていきたいと思います。

オススメの購入場所

ウイピルの種類によって、オススメの購入場所が違ってきます。

参考までに、今までユカタン州の州都メリダを4回訪れ、ウイピルの販売場所を巡った筆者の(若干独断と偏見込みの)経験から、オススメの購入場所について紹介していきます。(※参考程度にお考えください。)

  • Mercado Lucas De Galvéz(ルーカス デ ガルベス市場)
Museo de la Ciudad de Mérida(メリダ市博物館)がある方(正確には、博物館の道路を挟んで反対側の場所)から見た市場

ここまで紹介してきた衣服に関して言うと、全体的に市場で売られているものの方がメリダ中心部にある民芸品店(お土産物屋さん)や観光客向けの民俗服販売店で買うより安い上に、柄/デザインの種類の豊富さが民芸品店などとは桁違いとなっています。

市場内はウイピルウイピルブルサを販売するお店が沢山あるので(しかも、各店舗豊富な在庫を持っていらっしゃる)、じっくり見てまわってから、自分の気に入ったデザインのものを購入することが可能。見てまわるだけでも楽しいくらい、市場内にはウイピルを扱うお店がたくさんあるんですよね~。

あと、後にも触れますが、市場は基本的に放っておいてくれるのがすごく良い(筆者の感想)。あまり押しの強い店員さんがいないので(たまにいるけど)、色々な店舗の商品をじっくり見てから、どれを買うか決めることが可能。気になる商品があれば、店員さんに言って手に取らせてもらった上でよく見させてもらったり、許可をもらってその場で試着させてもらうこともできたりします。(試着室はない場合が多い。)

テルノも他の場所で買うよりも安く購入することができますが、民族舞踊のダンサーが着ているような、クロスステッチの施されたテルノは見かけられなかったように思います。ウイピル刺繍のパーティードレスも、あまり市場では見当たらず

 

☆Mercado Lucas De Galvéz(ルーカス デ ガルベス市場)
Calle 65A, Centro, 97000 Mérida, Yucatán, México.

 

  • 市場近くの民俗服販売店・Aragón S.A. de C.V.

市場近く、薄ピンク色の建物のMuseo de la Ciudad de Mérida(メリダ市博物館)の西隣にあるこのお店。

なぜこのお店をピンポイントで勧めるかというと、

  • ルーカス デ ガルベス市場からめっちゃ近い
  • ウイピルブルサをはじめとして、いろいろな種類のウイピル関連服が揃っている
  • ウイピルブルサに関しては、市場で買うのと同じくらいの値段であり、種類がとんでもなく豊富である

という理由から。

いやぁ、店舗に並んでいるウイピルブルサの種類が半端なかった。しかもそんなに高くないっていう。
また、市場ではなかなか見られないウイピル刺繍の施されたパーティードレスも、何種類か扱いがあります。

ただし、ウイピルテルノの値段は市場で買うよりも高いです。

左手のピンクの建物が博物館、56-A通りを挟み右手の赤茶色の建物の下に色々なお店が並んでいます。
赤枠で囲ったところにあるのが、その民俗服販売店。

 

☆Aragón S.A. de C.V.
Calle 56-A 533, Centro, 97000 Centro, Yucatán, México.

 

  • 日曜縁日の出店

メリダ中心部のソカロ(Plaza Grande、Calle61と63&Calle60と62の間にある公園)と、その周りの道路で毎週日曜日に行われる縁日。

ユカタン料理の屋台が出たり、メリダ市庁舎前ではユカタンの民族舞踊であるJarana Yucateca(ハラナ・ユカテカ)のショーが行われたり、ユカタンの手工芸品&土産物の露店が並んだりします。ユカタンのあらゆる魅力が一堂に集まる機会なので、日曜日にメリダへ滞在する予定がある場合、この縁日を訪れるのはかなりオススメです。

日曜縁日の露店では、「ユカタン・ウイピルの種類」の項で述べた全種類のウイピル関連衣服が並んでいました。(各種の並んでいる服の数にはバラつきがあるものの。)値段もそんなに高くないのではないかなと思います。

 
 
 
 
 
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余談ですが、上記写真のパナマ帽子(現地の言葉で、Sombrero panamá(ソンブレロ パナマ)とかJipijapa(ヒピハパ)と言う。)も縁日で買うのが超オススメです。1つ450ペソ(約2,700円)とかで買えます。(中心部の民芸品ショップで聞いたら700ペソ(4,200円くらい)でした。。。)

 

参考までに、日曜縁日が開催される場所の住所&地図を掲載します↓

☆Plaza Grande(プラサ グランデ)
62 y 63, Calle 60 61, Centro, 97000 Mérida, Yucatán, México.

 

  • メリダ中心部の民芸品(おみやげ)ショップ

基本的に、観光客向けの民芸品店や土産物屋、民俗服販売店での購入はあまりおすすめしません。やはり、売られているものの商品が全体的に値段が高いのと、豊富な品揃えでなかったり、買わせようとする店員さんの圧が若干強かったりするのがその理由。

ただし、スペイン語が全く話せない場合や、市場での買い物に不安がある場合、中心部で買い物を済ませたいと思う場合は、民芸品ショップを使うのも一つの手です。

クロスステッチが施されたテルノ

また、クロスステッチの刺繍が施されたテルノ(Punto de Cruzのテルノ)を購入したい場合、「中心部の民芸品店で売られているもの(又は展示されているもの)を見てまわる」というのは一つの購入戦略になるかと思います。

というのも、メリダでこのタイプの刺繍が施されたテルノを買いたい場合、ここまで述べてきた市場や日曜縁日といった場所では取り扱いがなく、なかなか見つけられないため。
逆に、観光客が多い中心部の民芸品店や民俗服販売店では見かけられました。(しかも、1店舗につき1、2着置いてある程度。高価なものですからね。。。)

大変高価なものであるため(1つ12,000ペソ~(約7万円から)するのが普通)、このタイプのテルノに関しては、計画的に価格や購入場所についてのメモなど取りつつ、納得がいくまで色々なお店でさまざまな種類のテルノを見たり試着したりした上で、購入に至るのが理想かと。

 

さて、ここまでオススメの購入場所に関して紹介してきましたが、衣服の種類別にオススメ購入場所をまとめると以下のような感じ。

  • ウイピルは市場で購入するのが、じっくり選べるし値段も安く抑えられて良い。
  • テルノに関しては、特に刺繍に関してこだわりがなく、「とりあえずテルノが欲しい!」と思うのであれば、市場で購入すると安く抑えられる。
  • ただし、クロスステッチの刺繍が施されたテルノが欲しい場合、逆に観光客向けの民芸品店や民俗服販売店のお店を色々まわってみて、じっくり考えた上で買うのが良い。
  • ウイピルブルサブルサグアヤベラは、市場や紹介した市場近くの民俗服販売店、日曜縁日での購入がオススメ。
  • ウイピルのパーティードレスは、市場近くの民俗服販売店、日曜縁日、もしくはメリダ中心部の民芸品や民俗服の販売店で。

こんな感じですかね。

あと、メリダの空港では購入を避けた方が良いです。本当に。

なぜなら、びっくりするくらい値段が高い上に、品揃えもそんなに良くないため。話が少しそれますが、メリダの空港では全てのものが本当に高い。土産物屋の商品も、レストランの食事代も、売店の商品も、全部。

なので(話逸れますが)、絶っっっっ対に、必要な買い物と食事は空港へ向かう「前に」済ませ、空港では必要最低限のものだけの購入にとどめることを強く勧めます。なんなら、飛行機の遅延とか小腹が空いた時に備えて、空港へ着く前にコンビニ(oxxoとかセブンイレブンとか)でお菓子や飲み物を買っていっても良いくらい。(飲み物は保安検査場で捨てなければいけない=飛行機までは持っていけないけれども。。。それでも。)

 

購入の際に使えるフレーズ

最後に、ウイピル等を買う際に役に立ちそうな、簡単なスペイン語会話フレーズを少し紹介します。

購入したいと思う、もしくは店員さんにお目当てのものがあるかどうかスペイン語で聞きたい場合、

  • Quiero ~.(キエロ ~.)「~が欲しいです。」
  • Aquí hay ~?(アキ アイ ~?)「ここに~って置いてありますか?」
  • Estoy buscando ~.(エストイ ブスカンド ~.)「~を探しているのですが。」

このあたりの会話フレーズが使えるかなと思います。(実際に尋ねる際は、Disculpe,(ディスクルペ) 「すみません、」と言うのも忘れずに。)

例えば、

Disculpe, estoy buscando una blusa guayabera dama. Aquí hay esa?
(すみません、女性用のグアヤベラのシャツを探してるんですけど、ここにありますかね?)

とか

Disculpe, quiero un terno de punto de cruz. Aquí hay?
(すみません、クロスステッチ刺繍のテルノが欲しいのですが、ここにありますか?)

といった感じで。

(*esa(エサ)は「それ」という意味の指示代名詞、de(デ)は「~の(英語の”of”みたいな)」を意味する前置詞)

 

以上、ユカタンのウイピルに関して、色々な種類やデザイン、刺繍の違いなどに触れつつ紹介しました。

ユカタンの観光名所の一つ、セノーテ
メリダの街並み

マヤ遺跡や植民地時代の名残を感じられるメリダの街並み、マヤの文化と他地域からの文化が混ざり合って形成されたユカタンの文化や料理など、魅力的なものが沢山あるユカタン地域。

もし今後、ユカタンや州都のメリダを訪れる機会があったら、ぜひユカタンの素敵で、美しくて、独特な文化的側面の一つであるウイピルにも注目してみると、また違った角度からユカタンを見ることができることでしょう。

 

参照文献

<英文>

NW Yucatan Part 3: Sunday Fiesta at Mérida’s Plaza GrandeJim & Carole’s Mexico Adventure
https://cookjmex.blogspot.com/2012/03/northwest-yucatan-part-3-sunday-fiesta.html
毎週日曜日に州都メリダの中心部で開催されるプチ縁日みたいなもの(民俗服やお土産、民芸品、アクセサリー等の露店が出たり、ユカタン料理の屋台が展開されたり、子供向けのショーや民俗音楽の演奏、Jarana Yucateca(ハラナ・ユカテカ)のショー・Vaquería(バケリア)が行われたりする)について書かれたブログ記事。写真豊富で見やすい&読みやすい記事。あと、この中で筆者の方が、「どうやったら、(ユカタンの人たちは)あの日常使いしているウイピルの布地を、あんなにも綺麗な状態で維持できるのだろう?」みたいに言ってたんですけど、この疑問に思う気持ちすっごく分かります(笑)。

 

<西文>

LOS HIPILES Y JUSTANES BORDADOS -Yucatán: Identidad y Cultura MayaUniversidad Autónoma de Yucatánhttp://www.mayas.uady.mx/articulos/cinco.html

 

<和文>

・ウィピル|Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%94%E3%83%AB

・これまでの街歩き–世界ふれあい街歩き|NHK
https://www6.nhk.or.jp/sekaimachi/archives/data.html?fid=090305

2009年に、州都メリダを特集したものが放送されていたんですね。当記事でも触れたルーカス デ ガルベス市場も、ちらっと紹介されています。

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