メキシコ

ユカタンの民族衣装・テルノを着る。-「3. 装飾品について&参照文献」

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さて、ここからはテルノを着る際に身につける装飾品や、その時の髪型などについて紹介していきます。
(一番最初のページ「ユカタンの民族衣装・Terno(テルノ)を着る。」はこちら。)

 

(注1:本章に書いてある価格&情報も、全て201712月~20187月時点のものになります。また日本円に換算した値段は、1ペソ=6円で計算したものやこれに近いキリの良い数字にしたものとなります。)

(注2:ちなみに、ここで言及している装飾品や髪飾り等は、ユカタン現地の民族舞踊のダンサーさんたちのスタイルを参考にした上で(基準に考えた上で)紹介するものとなります。)

(注3:値段やそれぞれのスペイン語名、購入場所に関しては、筆者が確認できているものor覚えているもののみ記載しています。)

髪型と髪飾り

 
 
 
 
 
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まず、髪飾りをつける前にセットする髪型ですが、「オールバック(センター分けや前髪を作ったりせず、前髪の生え際&おでこを出すまとめ方)で、頭頂部と後頭部中心ど真ん中の間らへんの位置に髪の毛を一つにまとめて、髪の毛のネットを使ってお団子を作る」という感じです。

ここまでは、クラシックバレエや、メキシコ国内の他の地域の民族舞踊(ハリスコとか、ベラクルスのソン・ハローチョとか)を踊る時の髪型-整髪料を使って髪の毛を一つにまとめ、シニヨンを作る-と共通する部分ですね。

ここから、ユカタンの民族舞踊特有の髪飾りを3種類ほど付けていきます。

まず、大きめのリボン。スペイン語では、Cinta(シンタ)Listón(リストン)Moño(モーニョ)と言います。(この3つのうちのいずれかの言葉でOK。私はいつもモーニョと呼んでいます。)

付ける色は自由ですが(実際、様々な色のリボンが売られている)、舞踊を踊るときは所属するグループで一色に統一する場合もあるみたいです。

リボンを付ける位置は、お団子のトップ(てっぺん)の部分。

写真の赤いリボンが、筆者が学部の卒業式にて使用したもので、120ペソ(約720円)でした。(City Center Méridaという、メリダ中心部からすこし離れたショッピング街にあるお店「Ki’ichkelem Tuup」にて購入。後述の、花の髪飾りを買ったお店にも売られていました。)

 

髪飾りの2つ目は、花の髪飾り

花の髪飾りの表側と裏側

造花が付いたプラスチックコームの髪飾り。スペイン語だと、Flor(フロール)と呼びます。

付ける位置としては、ユカタンの民族舞踊の踊り子さんたちは右耳の真上、こめかみ辺りにつけてます。顔面を真正面から見ると本当に顔の真横に付いている感じで、右耳と右側の髪の毛の生え際が髪飾りの花で隠れるくらいになる場合も。

ちなみに、この花の髪飾りに関しては、未婚の場合は右側に、既婚の場合は左側に付けます。(ネットでユカタンの民族舞踊の写真を見てると、顔の右側に花を付けている場合が圧倒的に多い。)

メリダ中心部の造花ショップ、「Huacho Martín Flores」のショーケース

花の髪飾りは、メリダ中心部にある造花屋さん「Huacho Martín Flores(ワチョ・マルティン・フローレス)」にて80ペソ(約480円)で購入しました。

造花のほかに、テルノと一緒に身につけるリボンや花の髪飾りも売っているお店でしたね。

☆Huacho Martín Flores(ワチョ マルティン フローレス)
Por calle 61 y 63, Calle 58 501-C, Centro, 97000 Mérida, Yucatán, México.

 

髪飾り最後は、銀(白)のストーンがついた髪飾り

プラスチック製の銀の髪飾り

花の髪飾りをつけるのとは反対側の方に、1つもしくは2つ着けます。(写真のものは既に端が欠けてしまっていますが。)

ルーカス デ ガルベス市場内にて10ペソ(60円ほど)で購入しましたが、価格は用いられているストーンやコームの種類によって違ってくるのかな、と思います。

☆Mercado Lucas de Galvéz(ルーカス デ ガルベス市場)
Calle 65A, Centro, 97000 Mérida, Yucatán, México.

 

首飾り

民族舞踊では、上記写真のようなロザリオ(カトリックのお祈りの際に用いられるもの。スペイン語読みだと「Rosario(ロサリオ)」。)が首飾りとしてたくさん用いられます。

ユカタンの民族舞踊のダンサーの方

ただ、私はカトリックではないので、「いくら民族舞踊で、あれだけジャラジャラとダンサーの女性たちがロザリオを首飾りのように付けているとはいえ、カトリックでない私があのように付けるのはちょっと。。。」と思う部分がありました。

そのため、私がテルノを身につけた際は、メキシコのほかの民族舞踊の演技披露時のために購入した金色のネックレス(スペイン語ではネックレスをCollar(コヤール)と呼ぶ)を着用していました。(これはユカタンではなく、メキシコシティにあるソノラ市場という所で買いました。)

 

耳飾り(ピアス、イヤリング)

スペイン語ではArete(アレテ)と言います。民族舞踊だと、写真のような金色の煌びやかな耳飾りが用いられますね。

上記写真のイヤリングは、250ペソ(1,500円くらい)でした。先ほど紹介した髪飾りのリボンを購入したお店(Ki’ichkelem Tuup)にて買いましたが、ルーカス デ ガルベス市場内にも売っているお店はあります。

市場内にある、金細工の製品を売っているお店

ちなみに同市場内には、金を使ったイヤリング、ロザリオ、ネックレス等を売っているお店がいくつかあります。

 

ブレスレット

ブレスレットも、金でできたもの(金色のもの?)がよく用いられますね。

上記写真は市場にて購入したもの。18連セット(金色、銀色、銅色、各色6つずつ)で35ペソ(約210円)でした。

私の場合、テルノを着るときは写真右側の金色のブレスレット3つのみを使っています。人によっては、もう少し幅が太めのバングルを使う人もいるみたいです。

 

ショール

スペイン語でRebozo(レボソ)と言います。

メキシコだと、レボソはいろいろな地域の民族舞踊で用いられており、その際は鮮やかな明るい色づかいのものが使われることが多いように感じられます。
一方ユカタンの民族舞踊の場合、現地で民族舞踊のショーを見ていた限りでは必ずしも明るい鮮やかな色のレボソが用いられているとは限らず、暗めの色のレボソが用いられていることも多かったように思います。

ちなみに、ユカタンの民族舞踊や式典等でテルノを着る時に一緒に身につけるこのレボソは、Rebozo de Santa María(レボソ デ サンタ マリア、「サンタ・マリアのショール」)と呼ばれます。
価格は500ペソくらい(3,000円ほど)から。ルーカス デ ガルベス市場内の民俗服のお店で購入可能。

 

メキシコ民族舞踊で使われる靴

スペイン語だと、Zapatos para danza folklórica(サパトス パラ ダンサ フォルクロリカ)とか、Zapatos de ballet folklórico(サパトス デ バレ フォルクロリコ)で通じるかなと思います。

実際にユカタンの民族舞踊のダンサーさんに質問して、どんな靴を使っているか教えてもらいましたが、靴はメキシコ国内のほかの地域の民族舞踊と同じく、靴の裏のつま先&かかとの部分に鉄の点々がついているものでした。

なお、テルノを着る場合(ユカタンの民族舞踊を踊る場合)、靴の色は必ず白

メキシコ国内だと、グアダラハラにあるZapatería la Constancia(サパテリア ラ コンスタンスィア)という靴屋にて、安く質の良い民族舞踊の靴を買うことができます。

例えば、私が今練習で使っている靴がここで買ったものなのですが、普通の民族舞踊の靴で、1395ペソ(約2,400円)。しかも週1ペースで履いて練習していて、使い始めてから1年経ちますが、まだ壊れていないです。とっても丈夫。。。

しかも、取り扱っている靴の種類や色のバリエーションも多く、また民族舞踊の髪飾りなんかも販売していて、メキシコ民族舞踊をガンガン練習する人や、民族舞踊をやっている人でグアダラハラを訪れる機会がある人には是非訪れてみてほしいお店です。

☆Zapatería la Constancia(サパテリア ラ コンスタンスィア)
Calle Degollado 18, Zona Centro, 44100 Guadalajara, Jalisco, México.

 

少し話が逸れましたが、最初にあげた写真の白い民族舞踊の靴はというと、実はグアダラハラのお店ではなくユカタンの靴屋で買ったものです。

ユカタンで民族舞踊のショーを見終わった後、ダンサーの方に「メリダだと、どこで民族舞踊の靴を買えますか?」と聞いて教えてもらったお店がここ、El Gran León(エル グラン レオン)。 民族舞踊の靴は1669ペソ(約4,000円)でした。

☆El Gran León(エル グラン レオン)
Calle 63 496, Centro, 97000 Mérida, Yucatán, México.

 

ちなみに筆者は、卒業式当日は民族舞踊用の靴ではなく、ルーカス デ ガルベス市場にて200ペソ(約1,200円)で買った普通の白い靴(見た目は民族舞踊の靴と同じ)を履いて行きました。

当日は民族舞踊の靴も持ち歩いていて、踊るときだけ履き替えてました

 
 
 
 
 
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(おまけ)メイク

メイクに関しては、下記のメキシコ民族舞踊のメイクに関する動画を参考にしました。

 

さてさて、今回はユカタンの晴れ着であり、ユカタンの民族舞踊の衣装であるテルノについて&テルノを着る際に一緒に身につける装飾品について紹介しました。

この記事で扱った内容に対し、果たして今後需要が生まれるのかどうかについては定かではありませんが、ユカタンの民族衣装や民族舞踊に興味を持った方にとって、この記事の内容が役に立てばとても嬉しいなぁと思います。

 

参照文献

<英文>

NW Yucatan Part 3: Sunday Fiesta at Mérida’s Plaza GrandeJim & Carole’s Mexico Adventure
https://cookjmex.blogspot.com/2012/03/northwest-yucatan-part-3-sunday-fiesta.html
毎週日曜日に州都メリダの中心部で開催されるプチ縁日みたいなもの(民俗服やお土産、民芸品、アクセサリー等の露店が出たり、ユカタン料理の屋台が展開されたり、子供向けのショーや民俗音楽の演奏、Jarana Yucateca(ハラナ・ユカテカ)のショー・Vaquería(バケリア)が行われたりする)について書かれたブログ記事。写真豊富で見やすい&読みやすい。あと、この中で筆者の方が、「どうやったら、(ユカタンの人たちは)あの日常使いしているウイピルの布地を、あんなにも綺麗な状態で維持できるのだろう?」みたいに言ってたんですけど、すっごくこの疑問に思う気持ち分かります(笑)。

 

<西文>

Lillian Paz Avila, 2015, La moda europea y su influencia sobre el terno yucateco durante el siglo XIX,” Mérida, Yucatán: Universidad Autónoma de Yucatán, (Retrieved May 3, 2019, http://www.mayas.uady.mx/articulos/terno.html).
テルノの歴史について、特にヨーロッパのファッションの影響をどのように受けてきたか&その影響の受け方から、19世紀のユカタン社会における階層制の根強さや社会政治的な移り変わりについて説いているもの。時代別のテルノの変化については、写真も用いた上で説明されています。

Lourdes Rejón Patrón, 2015, LOS HIPILES Y JUSTANES BORDADOS,”Mérida, Yucatán: Universidad Autónoma de Yucatán, (Retrieved May 3, 2019, http://www.mayas.uady.mx/articulos/cinco.html).

・Traje Típico|Mérida
http://www.merida.gob.mx/municipio/sitiosphp/merida/php/trajetipico.phpx
メリダ市が運営しているサイト(多分)内にある、ユカタンの民族衣装について紹介&詳しく説明しているページ。今回当記事では、テルノや女性の装飾品のみに関して集中的に紹介しましたが、上記の記事では男性の衣装に関する紹介も詳しく行われています。

 

一番最初のページ「ユカタンの民族衣装・Terno(テルノ)を着る。」はこちら >>

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